“静かなるケニー”の命日

今日12月5日は、私の一番愛するトランペッター、ケニー・ドーハムの命日だ。
“Quiet Kenny” (静かなるケニー)とは、1959年11月に録音された、ケニー・ドーハムのレコードの中で最も知られているレコードであり、1番の名盤と言われている。
と同時に、この言葉は、自己主張をしないドーハムの人と姿をよく表していると思う。

しかし、1924年生まれのドーハムは、凄い人なのだ。
1940年代中頃は、チャーリー・パーカーのグループにいた。その後、フリーランス気質のドーハムはグループを渡り歩いた。

彼は、優れたコンポーザーでもあり、名曲をたくさん作っている。
「マイナーズ・ホリディ」、「ロータス・ブロッサム」、そして、このレコードに入っている「アフロディジア」は、1980年代の、ロンドンのクラブシーンで、復活ブレイクした。ハード・バップの曲で踊ることなどなかったのに、さすがイギリスだ。

そして、ニューヨークでアート・ブレーキーに誘われ、初代ジャズ・メッセンジャーズのメンバーになる。
ここでの「マイナーズ・ホリディ」の演奏は、神がかりだ。

ジャズ・メッセンジャーズを自ら退団した後、自分でグループを作って出したのが、この2枚。
私の、全作品中一番好きな2枚。これだけ熱気が伝わってくるレコードはそうはない。もう、ゾクゾクする。

ドーハムは、メロディー・メーカーだ。次々とアイデアが浮かぶ。アドリブもあたかもメロディーを吹いているようだ。
それらが、次でよくわかる。

こちらでは、マイルスの黄金のクインテットに加わる直前の、ハービー・ハンコックとトニー・ウィリアムスが入っている。

ドーハムは、後輩の初デビュー・アルバムに曲をプレゼントするとともに、サイドメンとして加わっている。
それが、このレコードで聴ける、ドーハム最大のヒット曲“ブルー・ボッサ”である。

ドーハムは、1960年代半ばからは体調も悪かったのだろう、録音もあまりなく、1972年の今日12月5日、ニューヨークで亡くなった。
これは、死後に発表されたコペンハーゲンのジャズハウスで1963年に録音された「Short Story」。
演奏を聴くと、どこか寂しげだ。

ドーハムは、マイルスのような革命的な人でもないし、クリフォード・ブラウンのような天才肌でもないし、リー・モーガンのようにセンセーショナルに登場したわけでもない。
でも、私は、ケニー・ドーハムが一番大好きだ。

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🎵Blue Bossa

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