このレコードは、私が初めて買ったジャズのオリジナル盤だ。ボーカル・レコードである。
新宿三丁目にあった「八月社」というジャズ専門店で買ったが、今もあるのだろうか。
「Beverly Kenney Sings For Johnny Smith」。
ジャズレコードを集め始めた頃で、その時は、ボーカルのビバリー・ケニーを買うつもりではなく、ギターのジョニー・スミスを探していた。
当時、彼のレコードは、有名なリーダーアルバムが1枚、国内盤で出ているだけで、それ以外は海外盤を探すしかなかった。
そして、ジョニー・スミスが伴奏しているという、ビバリー・ケニーのこのレコードを探してたところ、運よくこの店で見つけた。7,800円。当時の私のサイフ事情からすると、1枚にかけるギリギリの値段。買った。
縁というものはおもしろい。それ以来、ビバリー・ケニーにはまってしまった。
その歌声が、私の好みにピッタリと合ったからだ。もう、彼女を調べるしかないということで、ジャズ本・雑誌を漁った。
ネットのない時代なので、ビリー、エラ、サラのようなビッグ・ボーカリストでない限り、マイナーな歌手の資料には中々めぐり合えない。
しかし、オタクはいつの時代にもいる。彼らのおかげで、情報が集まり始めた。
結果、彼女の公式にリリースされているレコードは、6枚ということがわかった。そこからは、じっくりと楽しむように、残りの5枚のオリジナル盤探しが始まった。
ルースト・レーベルからは、上記のレコード含め3枚。デッカ・レーベルからも3枚。
*ルーストから、「Come Swing With Me」
ラルフ・バーンズ・オーケストラをバックに、オーケストラに合うナイスな選曲を魅惑に唄っている。
*ルーストからの3枚目、「Sings With Jimmy Jones And “The Basie-Ites”」
Basie-Ites とは、カウント・ベイシー専属のミュージシャン。
この場合、ベイシーの強力なリズム布陣、ドラムのジョー・ジョーンズ、ギターの “ミスター・リズム”ことフレディー・グリーンに、サックスのフランク・ウェス、トランペットのジョー・ニューマンの編成。
そして、彼らに加え、ピアノ伴奏の名手ジミー・ジョーンズ、という申し分のないスモール・コンボを従え、ビバリーが気持ちよさそうにスイングする。
*デッカから1枚目、「Sings For Playboys」
ピアノ伴奏の名手、エリス・ラーキンス、ベースのジョー・ベンジャミン、をバックにしっとりと唄う。楽器が少ない分、ビバリーの声がよく聴こえてうれしい1枚だ。
*デッカからの2枚目、「Like Yesterday」
彼女の全アルバム中、一番コケティッシュな雰囲気が出ているレコード。可憐で愛おしい。
*そして、デッカからの3枚目、「Born To Be Blue」
一番大人の雰囲気が伝わってくるレコード。完成度が一番高いかな・・・
6枚のレコードは、それぞれ趣が違う。選曲、アレンジ、バック・ミュージシャンの選択から、彼女の強い意志、プロ意識があったのではないかと、私は勝手に考えている。
とにかく、6枚全部いい!!
1932年の今日、1月29日にビバリー・ケニーは生まれた。そして、1960年の4月13日に自死した。
ということで、今日は彼女の87才の誕生日を祝って、6枚のレコードを聴きまくろうっと。
(こちらをクリックすると音楽が聴けます。)
↓ ↓ ↓
♫There Will Never Be Another You/Sings For Johnny Smith
♫A Woman’s Intuition/Sings For Playboys
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