1991年9月28日、マイルス・デイビスは65才で亡くなった。
人の一生としては早い。直前まで活動していただけに、あまりにもあっけない死であった。
チャーリー・パーカーのもとにメンバー加入してバップを体感し、ギル・エバンスとの出会いからクール・ジャズの探究、Prestigeレコードでのマラソン・セッション・・・と、常に新しいサウンドを追い求めてきた。
こうして、スターとしてのポジションを確立したマイルス。しかし、ここまでが序章。
マイルスは、さらにステップ・アップする。大手レコード会社のColumbiaから契約のオファーがあり、Prestigeから移籍する。
Prestigeとの契約上、残っていた録音4枚分=通称‘マラソン・セッション’とかけもちしながら録音した、移籍第1号のレコードが、この「’Round About Midnight」だ。
こうして、マイルスの次章が始まる。「Kind Of Blue」、「Mies Ahead」、「Miles In The Sky」、「Bitches Brew」、「Jack Johnson」・・・・
60年代末から70年代のロックの台頭に挑戦すべく、最前線の音楽を作り出し突っ走ってきたマイルスも、次第にアイディアの行き詰まり、やる気のなさ、療養、などから1975年に活動を停止する。
しかし、マイルスは6年後、1981年に見事に復活を遂げる。
その最初の録音が「The Man With The Horn」である。そして、またしても、時代の先を行く新しいサウンドに挑戦していく。
1985年、「You Are Under Arrest」の吹き込みを最後に、30年間在籍したコロンビアを離れてワーナーへ移籍する。ワーナー最初の吹き込みが「TUTU」。
モード〜エレクトリック〜サンプリング、とブラック・ミュージックのその時の最高を目指してきたマイルスが、最後に放ったのが、ラップ・ミュージック。
そして、マイルスの遺作アルバムとなる、この「Doo-Bop」。
アルバム製作中、1枚分の曲が満たない段階で、マイルスは入院してしまう。
マイルスからプロデューサーに起用されていた、ラッパーのEasy Mo Beeが、様々な音源とマイルスの演奏を合成して見事に仕上げる。
約1ヶ月後、マイルスは亡くなる。が、マイルスがレコードの中に生きている。
私は、ラップそのものには、それほど関心はなく進んで聴くことはないが、これは時代の到来を見据えた素晴らしいアルバムだ。とにかくカッコイイ!
ジャズ・ファン共通の現象に、自分のレコード棚をゴソゴソすると、知らず知らずたまっているのがマイルスのレコードだ。でも、音楽の幅が膨大すぎて、知っているようで知っていないのがマイルス。
今日の命日は、マイルス漬けにしようっと!
アナログで行こう!
ジャズはいいよ!
♬Miles Davis/’Round About Midnight
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