Danny Kirwan。私の一番好きなロック・ミュージシャンだ。
Fleetwood Macといっても、いつのマックのことを指しているのか? このグループの場合はこういう問いが出てくる。つまり、メンバーの入れ替わりがはげしく、音楽性も変わり違うグループに変身して行くからだ。世代、音楽の嗜好によって、ファンも違う。
私の場合は、今日の主人公ダニー・カーワンが在籍した1973年くらいまでのオリジナル・フリートウッド・マック、つまりブルース・ロック時代のマックだ。金髪の青年がカーワン。
Peter Green(g), Jeremy Spencer(g), Mick Fleetwood(ds), John McVie(b) の4人でスタートしたマック、2枚のアルバムを出した。ギターが、ピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーのダブル・リード。
2枚ともブルース・カバーとピーター・グリーンのオリジナルが中心。ピーター・グリーンは私の一番好きなギタリストだ、ギターもボーカルも色気があるし、ギターの‘間’も素晴らしい。クラプトンより、ずっと魅力を感じる。
もう一人のリード・ギタリスト、ジェレミー・スペンサーはスライドの名手で、エルモア・ジェイムスのカバー、ロックン・ロールをよくやるが、はっきり言って飽きてくる。ギターはうまいだろうけどボーカルに色気はないし、ピーター・グリーンのようなオリジナリティーはなく、華も洗練さもない。
そうして、1968年に加入してきたのが、18才の第3のギタリスト、ダニー・カーワンだ。
なんと、リード・ギタリストが3人だ! 個性の違う3人。こんな凄いグループがあっただろうか。
こうして4人から5人になったフリートウッド・マック、3枚目のアルバムは、1969年にリリースされた「Then Play On」。このアルバム、カーワンを全面的に押し出している。素晴らしい!私の一番大好きなロック・アルバムだ。
統一感はないが、カーワンの瑞々しさ、ブルースだけの音楽から脱却して、何かを模索しているグループの懸命さが伝わってくる、新鮮なサウンドだ。
しかし、ピーター・グリーンは、このアルバムを最後に脱退する。
グリーン抜きの4人に戻ってしまったマック。4枚目のアルバムは、スペンサー中心の「Kiln House」。つまらない。このアルバムに、元Chicken ShackのChristine Perfect(後のクリスティン・マクヴィー)がゲスト参加している。クリスティンとカーワンが救い。今度は、スペンサーが脱退する。
5枚目のアルバム「Future Game」。ここで、クリスティン・マクヴィーとボブ・ウェルチがマックに加入する。また、5人に戻る。この体制で、続けて6枚目「Bare Trees」を出す。素晴らしい! 2枚とも、単純なロック、フォーク、ポップスとは違うテイストの、オリジナリティーある美しいアルバム。
この2枚が、明らかに後の‘ファンタスティック・マック’、‘噂のマック’に繋がっていることを、私は信じて疑わない。
もちろん、変わらず正確無比なリズムを叩き出す、ミック・フリートウッドとジョン・マクヴィーのテクニックもあるが、カーワン、クリスティン、ウェルチのハーモニーの美しさと曲作りの能力は、絶対見逃せない。
しかし、今度は、カーワンが、このアルバムを最後に脱退する。
マックでの活動以外のカーワンには、白人ブルースの女王,Jo Ann KellyのいるTramp、クリスティン・パーフェクトのソロ・アルバム、などへの参加がある。
そして、1975年にソロとしてカム・バックしたアルバムが「Second Chapter」である。このアルバムは、本当に素晴らしい。過小評価されているのが、私は悔しい。カーワンは、その後、2枚のアルバムをリリースしたものの、消息を絶つ。
私は、昔のフリートウッド・マックが好きだが、その後のスティーヴィー・ニックス、クリスティン・マクヴィーのいるマックも好きだ。そこには、ダニー・カーワンのフィーリング、サウンドが聴こえるからだ。
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